コロナ禍の長期化により、ここ数年で美容整形をする人たちが増えているのは、以前美容bizでも「コロナ禍の「プチ整形」美容整形への意識変化と失敗を防ぐには? 」で解説してきました。
特に、長引くマスク生活の中でバレないうちに施術を受ける人が多くいますが、最近人気となっているのが『糸リフト』です。
糸リフトといえば顔の中に糸を挿入するため、美容整形外科的な施術であるイメージを持つ人が多くいましたが、ここ数年で注射などによる注入治療と近い感覚で受けれる、手軽な施術というイメージに変わりつつあります。
その中でも、今、注目を集めているのが『テスリフト』と呼ばれる、韓国発の美容医療です。
今回は、テスリフトについて詳しく解説していきます。
テスリフトとは?
テスリフト(TESSリフト)とは、従来の糸リフトに比べて糸の強度が強く、引き上げ力や持続性が高い、と評判のスレッドリフト治療です。
ここ数年で一気に人気の高まった、美容医療の一つです。
韓国のZISHEL社によって開発され、韓国政府の食品医薬品安全処『MFDS』の許可を受けており、2020年の時点で世界12か国で販売されています。
スレッドリフトとは、特殊な形状の糸を皮膚の下に入れることにより皮膚を切ることなく、顔のたるみを解消することができます。
従来までの糸を使用するリフトアップ施術では、安定性や身体に吸収されないの糸による治療後の合併症などの難点が多くありましたが、テスリフトはそれらの難点を改善したリフトアップ施術になります。
テスリフトは、特殊な形状をした糸を使用し、バーブと呼ばれるトゲの付いた糸を3Dメッシュで覆われています。
これを皮下組織に挿入し、バーブが皮下組織をしっかりと掴み、周辺の組織が3Dメッシュに入り込むことにより、リフトアップした状態を長時間キープすることができ、持続性に優れています。
テスリフトで使用する糸は、1年程度で体内に吸収されるため、体内に糸が残ってしまったり施術後に糸を抜く必要がありません。
テスリフトで使用される糸は、手術の縫合でも使われるポリジオキサノン(PDO)と呼ばれる素材で作られるため、体内に吸収されます。
糸が体内に吸収された後でも、リフティングキープ力が2~3年持続されるため、長期間に渡り効果が持続します。
また、ポリジオキサノンには脂肪を委縮させる効果があるため、脂肪が引き締まることにより小顔効果も期待することができます。
従来の糸リフト治療では、強力な効果のものほどやり直しがきかず、ドクターの技術力やデザインセンスが結果に大きく関わるため、失敗するリスクが高く施術を受ける側にも医療従事者の間でも、難しい施術であると認識されていました。
また、こめかみで糸が落ちないように止めるタイプの糸リフト施術では、効果が強い反面、頭痛やツッパリなどの違和感を感じるという副作用が多く報告されています。
一方、テスリフトでは挿入マニュアルが確立されているため、メーカーから医師に効果的な施術方法を指導できるようになったことにより、どのクリニックでも安定的な効果を得られるようになったため、ここ数年で人気の施術となっています。
そのため、糸リフトのリフトアップをしていなかったクリニックでも施術がおこなわれるようになり、今では多くのクリニックで採用されているリフトアップ施術となっています。
テスリフトは、顔面解剖学・組織生理学に基づいて糸の設計がおこなわれています。
顔がたるむ原因の一つとして、骨と皮膚を繋ぐ靭帯が伸びてしまうことによって起こります。
顔の靭帯は骨と皮膚の間に木のようにつながっていて、加齢により靭帯が衰えると脂肪や皮膚の重みに耐えることができなくなり、顔がたるんでしまう原因の一つとなっています。
テスリフトは皮下組織に糸を入れた後、皮膚の内部で成長し始めます。
メッシュ状の糸は皮膚の周りの組織と靭帯の結びつきを強めるため、伸びた靭帯を修復し、顔全体のリフトアップ効果が期待されています。
また、たるみの早期予防にも効果があります。
従来の糸を使用したリフトアップ治療と違い、単純にリフトアップするだけでなく、たるみをしっかりと引き上げ、自然な仕上がりに仕上げることが可能となりました。
テスリフトの効果
テスリフトはリフトアップ以外にも、様々な効果があります。
シワやたるみの改善はもちろん、コラーゲンやエラスチンの生成による美肌効果、脂肪燃焼による小顔効果も期待できます。
リフトアップ効果
テスリフトは、シワやたるみの改善によるリフトアップ効果があります。
バーブというトゲの付いた糸は、顔の筋膜を引き上げてリフトアップさせる効果があります。
従来のスレッドリフトに比べてトゲが強力なので、効果が長続きしやすくなります。
また、糸が体内に吸収された1年後以降もリフトアップの効果は2~3年程度継続します。
美肌効果
テスリフトでは、糸を皮下組織に埋め込むため、皮下組織がこれに反応し、修復する時にコラーゲンやエラスチンの生成を促進します。
施術後すぐにリフトアップ効果は期待できますが、エラスチンやコラーゲンの生成による美肌効果は実感できるまで時間がかかり、施術後2週間程度で美肌効果を感じることができます。
小顔効果
テスリフトで使用される糸の成分『ポリジオキサノン』には、脂肪を燃焼させる効果があるといわれています。
そのため、テスリフトの施術では肌の引き締め効果だけでなく、糸を入れた周辺の脂肪を燃焼させる効果があるため、小顔効果も同時に手に入れることができます。
テスリフトのメリット・デメリット
テスリフトは、今までの糸リフトよりも強力で持続性が高く、マニュアルがあるため失敗しづらい施術といわれていますが、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット
テスリフトの最大のメリットは、高い持続性と持ちがいい、という点です。
従来のトゲ付きの糸では、トゲの部分に効果が集中しやすく不自然で効果が長続きしないというデメリットがありました。
しかし、テスリフトの3Dメッシュでは皮下組織と糸の接触面積が大きくなり、コラーゲンやエラスチンの生成効果が大きく期待できます。
そして糸が溶けて吸収された後も、メッシュ部分と皮膚組織が癒着することにより、長期的に効果が持続します。
従来の糸リフトでは持続効果が1~2年程度と短かったのですが、テスリフトでは1年後の糸の消えた後でも効果が1~2年程度持続するといわれています。
デメリット
テスリフトはたるみやシワなどのエイジングケアとして優れた効果を発揮しますが、もちろんデメリットも存在します。
もちろん個人差はありますが、ダウンタイム中に腫れやツッパリを感じる場合があります。
施術後はむくみ程度で大きく腫れるといったことはほとんどありませんが、ダウンタイムには個人差があり、施術後1週間程度続く場合があります。
また、まれに出血や痛みを起こす場合もあります。
内出血や痛みは、施術後1~2週間程度かけて徐々に薄くなり弱まってきます。
また副作用として、違和感やアレルギー、血行障害、しこりが残ってしまう場合もあります。
しこりが残ってしまった場合、医師の診察を速やかに受け、糸を取り除くか否か、判断をあおる必要があります。
まとめ
今回は、テスリフトについて詳しく解説しました。
従来の糸リフトに比べて、ドクターにとっても施術を受ける側にとってもハードルが低くなったテスリフト。
効果の持続性が高く、安全性も韓国の政府機関で認められており、リフトアップだけでなく、美肌や小顔効果まで期待できる、機能性の高い美容医療です。
次回は、テスリフトの料金やダウンタイム、副作用などについて詳しく解説していきます。