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花粉が肌荒れを引き起こす?花粉皮膚炎の対処法について徹底解説

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「春になると肌の調子が悪くなる」

「普段使っていた化粧品がしみる」

など、毎年春になると肌荒れに悩む方も多いのではないでしょうか。

その原因は、花粉によって引き起こされる「花粉皮膚炎」かもしれません。

今回は、花粉による肌荒れについて解説します。

花粉によって肌荒れを起こさないためには、どのような点に気を付けるべきなのか、対策法も併せて紹介します。

花粉が原因で肌荒れが起こる?

花粉による肌トラブルは「花粉皮膚炎」と呼ばれています。

花粉症によって目や鼻に症状が出る方もいますが、肌のみに症状が表れる方もいます。

「なぜか春の花粉が強い日に肌トラブルが起こる」という方の中には、皮膚科で検査してもらって、はじめて気付くという方も少なくありません。

花粉皮膚炎の症状には、皮膚のかゆみ、熱っぽさ、赤みなどが表れます。

本来、肌には花粉などの外的刺激から肌を守るバリア機能が備わっているため、バリア機能が正常であれば花粉のアレルギーがあっても大きな刺激にはなりません。

しかし、バリア機能が低下している肌は花粉が浸透しやすく、肌の免疫システムが働き、アレルギー反応となって肌荒れを起こします。

花粉症で肌荒れが起こるのは、「花粉」という外敵から身体を守る抗原抗体反応なのです。

春にかけてのこの時期に花粉皮膚炎の原因となり得るアレルゲンには、スギ花粉とヒノキ花粉があります。

スギ花粉は2〜4月にかけて多く散漫し、ヒノキ花粉は3〜5月にかけて多く発生します。

春になると花粉症で肌荒れが起こるという方は、花粉のアレルギー反応に加え、紫外線や乾燥の影響により肌荒れを起こしていることも考えられます。

スギ・ヒノキ花粉の多い時期は、空気が乾燥しやすく、紫外線が強くなる時期であるため、肌のバリア機能が低下しやすく花粉の影響を普段以上に受けやすくなるためです。

春は湿度が低く朝晩と昼の寒暖差が激しいため、肌のバリア機能が低下しがちです。

また、紫外線量の増加も肌のバリア機能を衰えさせます。

乾燥が花粉皮膚炎の原因となるのは、乾燥によって肌の角質の潤いが失われ、角質細胞同士の間に隙間ができ肌のバリア機能を低下させるためです。

健康な肌であれば、肌表面の皮脂膜と角質層が、外的刺激や異物の侵入を防いでくれます。

肌の表面に角質細胞が隙間なく並んでいる状態が、肌の正常な状態といえます。

しかし、角質細胞同士がうまく並ばず隙間ができてしまうと水分と油分のバランスが崩れ肌荒れを起こします。

肌のバリア機能が下がって肌荒れを起こし、痒みが出ると掻いてしまう方も多いのではないでしょうか。

しかし、痒さに負けて掻いてしまうと、さらに炎症を起こし肌荒れが悪化するという悪循環になってしまいます。

これが花粉の時期に肌荒れの原因となり、肌トラブルを起こしてしまうのです。

また、花粉症特有の鼻水が出る、目がかゆいといった症状も肌荒れの原因となることがあります

鼻や目は粘膜の近くであり、花粉がつきやすい箇所です。

鼻水をかむ、目を擦ると、摩擦が原因で肌荒れを引き起こしてしまうこともあります。

目がかゆいという時は極力擦らず目薬を差すことで、目の周りの肌荒れを防ぐことができます。

また、男性よりも女性の方が皮膚のかゆみを感じやすく、花粉皮膚炎の症状が出やすいという傾向があります。

男性よりも女性の方が化粧品を長時間付ける習慣が多いため、花粉皮膚炎が酷くなりやすいのではないか、という説もあります。

花粉対策で重視したいスキンケアとは?

花粉皮膚炎による肌荒れ対策として、特に力を入れたいのが「洗顔」「保湿」「紫外線対策」です。

洗顔

花粉による肌荒れを防ぐには、正しく刺激を肌に与えない洗顔方法が大切です。

低刺激の洗顔料で、丁寧に優しく花粉を洗い流すように洗顔します。

クレンジングは、ミルクタイプのクレンジング剤を使用すると肌に負担をかけずにメイクを落とすことができます

メイクを落とす時は、ゴシゴシ擦るのではなく、肌に極力摩擦を与えないよう、優しく落とします。

クレンジング剤は多すぎても少なすぎても肌に負担がかかってしまいます

量が多すぎると、メイクがキレイに落ちきらない可能性があります。

反対に、クレンジング剤の量が少なすぎると、肌に摩擦を与えてしまいます。

特に、アイメイクは念入りにクレンジングする必要があります。

メイク残りは肌の炎症を悪化させる可能性があるためです。

特に、目の周りに肌荒れが起きている場合には、目のキワまで綿棒で念入りに落としましょう。

肌が弱っている時こそ、丁寧にクレンジングすることが大切です。

洗顔は、たっぷりの泡で優しく包み込むように洗い、肌への摩擦を軽減させます。

肌への摩擦を防ぐため、W洗顔不要のタイプの洗顔料もオススメです。

スクラブなど、肌への刺激が強いものは肌荒れが起きている時には控えるようにしましょう。

洗顔後は刺激を与えないためにも、水分をゴシゴシと擦るように拭くのは避けます。

水気をタオルに染み込ませるように、優しく拭き取るようにします。

保湿

肌が乾燥すると、花粉皮膚炎がひどくなることがあります。

乾燥によって、肌のバリア機能が下がるためです。

そのため、十分な保湿をおこない肌のバリア機能を下げないことが大切です。

また、痒いからといって掻いてしまうと、さらに炎症が悪化し悪循環になってしまいます。

痒くても掻きむしらず、抗炎症剤などを塗って凌ぎましょう。

花粉皮膚炎の際は、高保湿の化粧品を使用し少ない回数で保湿をおこなうのがオススメです。

保湿のために何度も肌を触ると、摩擦が肌にかかり、肌荒れの原因となってしまいます。

ヒリつきや赤みなどが出ている場合、なるべくシンプルなスキンケアを心掛け、メイクも控えめにしましょう。

どうしても外出でメイクをしなければならない場合、肌に負担の少ないメイクをおこなうようにします。

肌荒れが酷い時は、化粧水を塗る前にホホバオイルやスクワランなどのオイルケアをするのも効果的です。

肌の表面をオイルで保護し、化粧水をハンドプレスで抑え込むように塗るのがポイントです。

また、トラネキサム酸やレチノールなど、抗炎症成分の入った化粧品もオススメです。

目の周りや鼻の周りにワセリンを塗ることで、鼻や目のかゆみによる炎症を抑えるだけでなく、乾燥対策としても効果的なので、花粉症による鼻水や目のかゆみに困っている方はぜひ試してみて下さい。

ただし、ワセリンを使用する場合には紫外線対策が必要です。

花粉によって肌が荒れている場合、弱酸性で無香料・無着色、アルコールフリーのものが、肌に刺激が少なくオススメです。

紫外線対策

紫外線対策も、花粉による肌荒れを抑えるのに効果的です。

春になると紫外線量が増えるため、肌の状態が揺らぎやすく、花粉皮膚炎に加えて肌荒れを起こしやすくなるためです。

また、紫外線は肌を乾燥させる原因にもなります。

飲む日焼け止めも最近では多く販売されており、内側からのケアとしてオススメです。

肌に優しいUV下地を使用するのも効果的で、肌荒れを隠す効果もあります。

また、紫外線を浴びてしまった場合やかゆみがある場合など、冷やすことで炎症を抑えることができます。

花粉から肌を守るために

花粉による肌荒れに対処するには、どのようなことがあるのでしょうか。

生活習慣の改善でおこなえる緩和対策と、病院でできる治療や対処法ついて、本章では解説していきます。

生活習慣でできるケア

花粉による肌荒れを改善するには、食生活と日常のちょっとした工夫で緩和させることができます。

食生活

食生活では、動物性脂質を控え、たんぱく質やビタミン、ミネラルの多い食事を心掛けることで花粉による肌荒れの改善を助けます。

抗酸化作用が高く、食物繊維やミネラルが豊富に含まれる “ごぼう” がオススメです。

ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは肌の調子を整える効果があります。

また、たんぱく質が不足すると肌のターンオーバーが乱れます。

ターンオーバーが乱れると、肌のバリア機能が低下します。

たんぱく質は肌にとって重要なアミノ酸を多く含むため、保湿にも効果的です。

生活習慣

ストレスや睡眠不足も、花粉による肌荒れを悪化させます。

ストレスが多い状態や睡眠不足の日が続くと、免疫バランスが崩れ少ない量の花粉にも肌が反応してしまい、肌荒れの悪化につながります。

ストレス発散や快適な睡眠を得るには、運動がオススメです。

運動が苦手な方は掃除をすると、部屋の花粉を排除することができ適度な運動となるので一石二鳥です。

アルコールや喫煙も、粘膜を刺激するため注意が必要です。

特にアルコールは血管を拡張させ、鼻づまりや、目の充血にも影響します。

ほどほどに嗜むようにしましょう。

花粉から肌を守るには、外出時にも一工夫が必要です。

直接、顔や首に花粉がつかないよう、メガネやマスク、帽子を身に着け、露出を少なくすることが大切です。

マスクやメガネは顔にしっかりとフィットするものを選び、ニットやコットン生地の服は花粉がつきやすいのでツルツルとした生地のものを選びます。

外出から帰ってきたら、花粉を室内に持ち込まないよう、家に入る前に花粉を払って落とすことが大切です。

玄関にクローゼットやブラシを置き、部屋に花粉をできるだけ持ち込まないようにします。

手洗いや洗顔、可能ならシャワーを浴びて、花粉を早めに落とすことも、花粉による肌荒れを防ぐことが可能です。

また、乾燥によって静電気が発生すると花粉がつきやすいため、保湿ケアも忘れないように。

洗濯物は部屋干しが基本ですが、どうしても外に干したい場合には取り込む前に、よく叩いてから室内に入れます。

髪の毛にも花粉がつきやすいので、思い切ってショートカットにするか、おだんごヘアなどにして、髪の毛をまとめておきます。

頭皮にも花粉が残りやすいので洗髪が一番ですが、髪の毛が洗えない場合はブラッシングだけでも効果があります。

花粉は晴れの日、気温が高く空気の乾燥している日に多く飛びます。

ニュースなどで花粉情報をチェックし、可能であれば外出を控えたほうが肌荒れには効果的です。

最近では花粉防止スプレーも多く販売されています。

衣類にかけるものから、肌に直接かけるものもあります。

肌に直接かけるタイプのものは肌の調子が悪いと悪化することがあるため、パッチテストや様子を見ながら使用しましょう。

メイク直しはブラシで花粉を落としてからおこない、ベースメイクの仕上げに花粉防止スプレーを振りかけます。

肌の赤みには、頭皮マッサージをおこなうと効果的です。

病院でできるケア

病院では、血液検査によって自身のアレルゲンを知ることができ外用薬や内服薬を処方してもらうことができます

血液検査では、自身のアレルゲンについて正しく把握できます。

花粉症で肌荒れしていると思っていたのに、実は別のアレルゲンが原因だったという可能性もあるので、気になる方は受けてみて下さい。

外用薬は花粉による、かゆみや炎症を抑える成分が配合されている薬を処方してもらえます。

炎症が酷い場合には「ステロイド外用薬」や、アトピー治療で使われる「タクロリムス外用薬」などがよく効きます。

炎症が収まったら白色ワセリンなどの非ステロイド剤に切り替える治療が、一般的です。

内服薬では、花粉症そのものに対しての治療薬が処方されることが多く「抗ヒスタミン剤」や「抗アレルギー剤」などを処方してもらえます。

まとめ

花粉による肌荒れは、肌のバリア機能が正常であれば防げることもあります。

しかし、肌のバリア機能が損なわれると肌荒れを起こしてしまうことがあるため、保湿ケアや紫外線対策を、しっかりとおこなうことが大切です。

花粉による肌荒れを防ぐには、肌をいたわるスキンケアはもちろん、食生活や生活習慣の見直しをおこなうことも効果的です。

あまりにも肌荒れが酷い場合には、病院でアレルゲン検査や処方箋を出してもらうことも検討しましょう。

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