少し前まで「サウナは中年男性が入るもの」と考えられていましたが、最近では若い女性にも「サ活」と呼ばれるほど、サウナは人気があります。
「なんとなく身体に良さそう」と思っていても、実際にどのような美容効果があるのか知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は、サウナの美容効果について紹介していきます。
サウナの正しい入り方や注意点、自分に合ったサウナの選び方についても解説していくので、
●サ活に興味のある
●サウナの美容効果を知りたい
という方は参考にしてください。
サウナとは?
サウナとは、蒸気浴・熱気浴の一種であり、2000年以上前にフィンランドで誕生しました。
サウナは、フィンランド語で「発汗風呂」という意味があり、高温の室内でイスに座って汗をかきます。
サウナに通う活動のことを「サ活」といい、サウナ好きの方を「サウナー」といいます。
さらに、サウナに魅了されサウナの魅力を発信したり啓発したりする方を「プロサウナー」といいます。
サウナと水風呂を繰り返すことによって、血流、心拍数、血圧、自律神経、様々なホルモンや脳波を整える効果があるといわれています。
日本では「乾式サウナ」と「湿式サウナ」が一般的です。
「ドライサウナ」といわれる乾式サウナは、湿度が低く10%程度、温度80~100度ほどの高温のサウナです。
一方、湿式サウナは、霧状のミストや蒸気を使用し40~60度の低温で湿度が100度の高湿度のサウナのことをいいます。
乾式サウナに比べて、湿式サウナは温度が低めですが湿度が高いため体感温度は実際の温度より高く感じます。
サウナの美容効果
サウナの美容効果には「美肌効果」「老化防止」「肌荒れ改善」「代謝アップ」などがあります。
また、美容と大きく関係する「ストレスの軽減」「睡眠の質の向上」などの効果もあります。
美肌効果
サウナで老廃物や余分な水分の排出を促すことができ、美肌効果が期待されています。
サウナに入ることで身体を温まり血行が良くなります。
血行が良くなると、血流に乗って栄養素が体の隅々までいきわたります。
胃腸にも血液がいきわたり、内臓の調子を整え、本来の胃腸などの内臓機能を活発にします。
内臓の調子を整えることで、ニキビの原因となる便秘を改善できるのです。
また、サウナは大量の汗をかくため、むくみ改善にも効果があります。
むくみは身体にある余分な水分が原因で起こります。
血行が良くなり老廃物や余分な水分が排出されるので、むくみの改善にも繋がります。
むくみが改善されると身体が一回り小さくなるため、シュッとした印象を与えます。
老化防止
サウナは、老けて見える原因となる「くすみ」「しみ」「シワ」「たるみ」の予防に効果があるといわれています。
サウナに入ると、血流が良くなり新陳代謝が上がります。
代謝がよくなると、肌の生まれ変わりも活発になりターンオーバーも促進されます。
くすみの原因は、不必要な古い角質が残っていることも原因の一つです。
サウナに入ることで、肌の代謝が良くなると古い角質が剥がれ落ち、くすみのない透明感のある肌になります。
また、サウナは毛穴に詰まった汚れも落とすことができます。
毛穴つまりはくすみの原因となってしまうため、サウナに入ることでくすみの改善に繋がります。
さらに、サウナにはサーチュイン遺伝子を活性化させる働きがあります。
サーチュイン遺伝子とは「若返り遺伝子」ともいわれており、たるみやしみ、シワ、たるみなどのエイジングサインに効果があるといわれています。
肌荒れ改善
サウナに入ることで、肌荒れの改善も見込めます。
血行が悪いと、栄養素が必要な場所に十分いきわたりません。
サウナで身体を温め血行を良くすることで、肌に十分な栄養を巡らせることができます。
そのため血色がよく、血色や肌のツヤが戻ります。
また、身体が温まり血行が良くなると自律神経が整います。
自律神経が整うと肌のバリア機能が正常化し、ターンオーバーも促進されます。
サウナで血行を整え、ターンオーバーを正常化させることにより、肌荒れ改善に効果があるのです。
また、サウナによってHSP(ヒートショックプロテイン)が発生します。
HSPによって細胞の修復がおこなわれるため、美肌効果を期待できるのです。
HSPは紫外線でダメージを受けた肌にも効果があるため、紫外線を受けやすいゴルフ場の銭湯にサウナがついているのも納得できます。
サウナによって発生したHSPが、血行を促進して身体の内側から調子を整えてくれるのです。
毛穴ケア
サウナは、毛穴ケアにも効果的です。
高温・多湿のサウナは、血行をよくして詰まった毛穴を開くことができます。
サウナによって十分に毛穴を開いてから洗顔することで、皮脂詰まりや汚れ、黒ずみを落とすことができます。
また、毛穴の汚れが落ちキレイになった状態で化粧品などの美容成分を浸透させやすくなるのです。
化粧品の効果をしっかりと感じ、毛穴汚れのない美肌を目指している人に、サウナはとてもオススメできます。
代謝アップ
サウナで血行を良くすることで、代謝が上がり痩せやすい身体にできます。
なぜサウナに入ると代謝が上がるかというと、サウナに入ると甲状腺のホルモンが出やすくなるからです。
甲状腺ホルモンは交感神経を活性化させ、全身の代謝を上げることができます。
甲状腺ホルモンを分泌させるためにファスティングをおこなうと1日かかるのですが、サウナであれば約20〜30分で同じ効果を得ることができるのです。
また、サウナはむくみの解消にも効果的です。
むくみとは、身体の中に余分な水分が排出されないことによって起こります。
身体の細胞に不必要にある水分は身体の体積を大きく見せ、実際の体重よりも太って見えてしまうことがあります。
代謝を上げむくみを解消することで、引き締まったように見せることができるのです。
睡眠の質向上
サウナには、睡眠の質を上げる効果が期待されています。
実は、睡眠と美容は大きく関係しているのです。
睡眠の質が下がると肌のターンオーバーが正常におこなわれず、くすみや肌荒れの原因となってしまうのです。
質の良い睡眠をとることで、くすみや肌荒れを防ぐことができます。
寝不足や睡眠の質が悪いと、内臓機能が衰え肌荒れの原因となります。
また、睡眠不足は暴飲暴食などの食欲コントロールを難しくします。
肌にとって、睡眠の質はとても重要なのです。
サウナに入ることで、自律神経を整え代謝を良くすることができるため、睡眠の質が上がり美容にも良い影響をもたらします。
ストレス軽減
サウナによって脳波に影響を与え、ストレスを軽減することができます。
ストレスと食欲には大きな関係があり、ストレスは暴飲暴食を招きます。
また、ストレスによって睡眠の質も下がります。
ストレスを溜めて睡眠や食欲に影響が出ると、肌荒れも起こしやすくなってしまうのです。
また、筋肉の緊張はストレスを招きます。
サウナに入って全身の老廃物を排出したり自律神経のバランスをとったりすることで、ストレスを緩和できるといわれています。
疲労回復にもオススメです。
美容に効果的なサウナの入り方
前述でサウナの美容効果について述べましたがサウナを美容に生かすには、入り方も大切です。
正しい入り方でサウナに入らなければ、美容効果は半減してしまいます。
美容に効果のあるサウナの入り方は、
1、身体を洗う
2、5~10分ほど入る
3、水風呂に入る
4、休憩する
5、スキンケアを施す
の手順でおこないます。
身体を洗う
サウナに入る前に、身体を洗います。
身体が汚れたままサウナに入るのは、マナー違反です。
他の人に迷惑がかかって不快な思いをさせてしまうため、身体を洗ってからサウナに入りましょう。
また、サウナに入る前に温かいシャワーなどで汚れを落とすことで、血行を促進し効率よく美容効果を感じることができます。
5~10分ほど入る
身体をキレイにしたら、5〜10分を目安にサウナに入ります。
サウナに入って初めの5分ほど様子を見ます。
体調や汗の出具合を確認します。
サウナから出る目安は、額から汗がじんわりにじむ程度です。
10分を限度に、サウナに入ります。
ドライサウナの場合、湿度が低いので8〜10分ほどを目安にしましょう。
水風呂に入る
サウナを出たら、水風呂に入ります。
サウナから出て、シャワーで汗を流してから水風呂に入りましょう。
水風呂の温度は17度前後が理想的で、15度を下回ると冷たすぎです。
水風呂に慣れてない場合は、我慢や無理をしない範囲で入ります。
水風呂に入ると、血行、サーチュイン遺伝子、自律神経を促進し、さらに美容効果が高まります。
冷えすぎは逆効果なので、2分を目安に水風呂に浸かりましょう。
休憩する
水風呂から出たら、休憩室で身体を休ませます。
あえて何もしない時間を作ることで、心身をリラックスさせることができます。
2〜4を3〜5回ほど繰り返す。
サウナで身体を温める、水風呂で冷やす、休憩の工程を3~5回ほど繰り返すと、美容効果が高まります。
サウナの目的は「身体の調子を整える」ことが基本です。
体調に気を付けながら、自分が気持ちいい範囲で、無理をしない程度に繰り返しましょう。
週に1〜2回ほどサウナに入るのが効果的です。
継続的にサウナに通うことで、より美容効果を発揮します。
また、サウナを終えた後は保湿をしっかりとおこなうことが大切です。
サウナ後は乾燥しやすく、乾燥は肌荒れやニキビなどの原因になってしまうことも。
顔だけでなく、全身を保湿をしっかりとおこないます。
サウナの選び方
最近のサウナブームで数多くのサウナが出来ましたが、自分に合ったサウナを選びたいですよね。
本章では、自分に合ったサウナの選び方について解説します。
サウナ選びのポイントは
- 自分に合う温度・湿度か
- 水風呂があるか
- サウナの種類で選ぶ
です。
自分に合う温度・湿度か
サウナを選ぶ際、自分に合った温度や湿度であるかも基準の一つです。
サウナになれていない方は、いきなり高温のサウナにチャレンジするのはオススメできません。
70〜80度のサウナからスタートし、自分に合った温度や湿度を探していきます。
どんな設備があるか
どのような設備があるかも、サウナ選びのポイント。
水風呂や休憩室の充実度でサウナを選ぶのもオススメです。
水風呂完備のサウナのほうが、血行促進やサーチュイン遺伝子の増加、自律神経を整えるのに向いています。
サウナの目的は「身体を整えること」なので、苦手な場合は入らなくても大丈夫。
サウナに入るだけでも効果があります。
また、休憩室の充実具合で選ぶのも判断基準の一つです。
外の空気が吸えるか、人目を気にせずくつろげるかも大切です。
サウナの種類で選ぶ
サウナには様々な種類があります。
日本で一般的なサウナは乾式サウナ・湿式サウナですが、その他にも様々な種類のサウナが存在します。
例えば、煙突のない場所でストーブで温める「スモークサウナ」、組み立て式の木製でできた「ホットキューブサウナ」、雪の中にストーブを入れて温める「アイスサウナ」、サウナストーンに水をかけて温める「ロウリュー」などがあります。
様々なサウナを体験し、自分に合ったサウナを見つけてください。
特に美容効果の高いサウナは、「塩サウナ」と「ミストサウナ」です。
塩サウナ
身体に直接塩を塗って入るサウナが「塩サウナ」です。
高湿度・低温のサウナで、塩を塗ることで塩を汗が交じり「塩溶効果」を発揮します。
毛穴に詰まった古い皮脂や角質、汗を排出し汚れを溶かして落とすので、サウナ後の肌がさらにキレイになります。
傷がある場合は塩を塗るとしみるので、注意が必要です。
ミストサウナ
霧状のミストで、サウナ内の湿度が高いのが「ミストサウナ」です。
肌の角質にミストが入り込むことで、保湿効果が高いというメリットがあります。
美肌効果バツグンで肌への負担が少なく、乾燥肌や敏感肌の方にオススメです。
サウナの注意点
サウナで美容効果を十分に発揮するために、サウナに入るときの注意点について紹介します。
前後の食事の時間に注意する
サウナ直前・直後の食事はオススメできません。
食後2時間は食べ物の消化吸収のため、血液が集中的に胃腸に送られます。
食後すぐにサウナに入ってしまうと、血液が身体全体に分散され消化不良を起こすことがあります。
どうしても何か口に入れたいなら、消化のいいスムージーがオススメです。
また、サウナ直前に糖分を摂取すると十分に甲状腺ホルモンが分泌されません。
さらに、サウナ直後の食事も控えるようにします。
サウナ直後の食事は副交感神経が活発になり、食べ物の吸収率が上がります。
吸収率がいいので太りやすく、注意が必要です。
美容効果を十分に発揮させたいのであれば、食事前後のサウナは控えましょう。
飲酒後のサウナも血圧が上がりすぎてしまうので注意が必要です。
水分補給を十分におこなう
サウナは大量に汗をかきます。
汗と一緒に必要なミネラルも体外に排出され、脱水症状に陥りやすいです。
サウナ前後はもちろん、サウナ中もしっかりと水分補給を忘れずに。
塩分も一緒に補給できるイオンウォーターがオススメです。
我慢や無理をしない
「美容効果を存分に感じたい」と、無理に長時間サウナに入るのはオススメできません。
サウナの目的は心身を整えることにあります。
無理をしないで「気持ちいい、心地いい」と感じる程度に入りましょう。
1度のサウナで長時間入るよりも、週に1〜2回ほど継続的に入るほうが効果的です。
体調の悪い時も、無理をしないことが大切です。
また、持病がある場合は担当医の許可をとってから入るようにします。
サウナは心臓や血管に負担がかかります。
特に心臓疾患がある方は、サウナを控えてください。
保湿ケアを忘れずに
サウナ後の肌は乾燥しやすくなっています。
十分な保湿ケアをおこなうようにしましょう。
顔だけでなく、全身に保湿ケアをおこなうようにします。
サウナ後の保湿には、セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン配合の化粧水や乳液を使用するのがオススメです。
まとめ
今回は、サウナの美容効果について解説しました。
サウナには、血行促進による老廃物の排出や代謝の向上、それに伴う睡眠改善やストレス発散などの効果があります。
しかし、正しく入らなければ美医用効果が半減してしまいます。
サウナの目的は、心身を整えることにあります。
無理なくサウナを活用し、美容効果を十分に堪能してください。